小さなことに大きな愛をこめて

「愛は溢れゆく」といわれます。
一人の長距離トラックの運転手が、
自分の体験を新聞に投書していました。
その日、自分は夜っぴて運転し続けて、
あと少しで目的地に到着するはずでした。
朝の7時ごろだったでしょうか。
目の前を一人の小学生が、
黄色い旗を手にして横断歩道を渡り始めたのです。
運転手は疲れもあってでしょうか。
いまいましく思い、急ブレーキをかけてトラックをとめました。
ところが、その小学生は渡り終えた時、高い運転台を見上げて、
運転手に軽く頭を下げ、「ありがとう」と言ったのだそうです。
「私は恥ずかしかった」そして決心したのです。
これからは横断歩道の前では徐行しよう。
そして、もし道を渡る人がいたら渡り終わるまで待ち、笑顔で見送ろう・・・
微笑み、優しさ、愛は、このようにつながってゆき、溢れてゆくのです。
運転手に見送られた人は、嬉しくなって、
多分、言葉も、態度も、その日1日優しくなったことでしょう。
「自分がしている事は、一滴の水のように小さい事かも知れないが、
この一滴なしに大海は成り立たないのです」
さらに、「自分は、いわゆる偉大なことはできないが、
小さなことの一つ一つに、大きな愛をこめることはできます」
小学生の笑顔と、「ありがとう」のひと言は、それ自体は小さな行いです。
しかし、それが次の人につながっていって、相手の心を優し、
その優しさが溢れていって、社会に、家庭に、
平和を作り出してゆくのではないでしょうか。
 
2015/12/02