なぜ今清掃、整理整頓なのか

!cid_F8095053-E88F-4F5D-AA1C-69F7B16435A6買い物をするとき、心の中にある、よいムードの店に
知らず知らず足が向いていくものである。
よいムードとは、商品、システム、イメージ、
販売員といったさまざまな現象が心を自然に
染色したものだと考えられる。
商品やシステムの同質化が進んでいる今日、
お客様の店選びの決め手は定員の釀し出す快いもてなしのムードであろう。
ひところ、苦労せずに商品が売れた時代のために、このことを忘れ、
不況で苦しんでいる企業が多い。
これからの企業の成長に最も大切なのは、
社員の精神文明のたゆみなき向上にある。
そのために不可欠なのが「清掃、整理整頓」なのである。
たかが清掃と馬鹿にしてはいけない。
その奥は深い。
清掃、整理整頓を出発点として仕事の進め方や組み立てを指導し、
社員の意識改革ができるのだ。
清掃の大切さは、お客様の立場になって考えればよくわかる。
私がある会社を訪問したところ、応接室に通されて
とても座り心地のよいクッションの椅子を勧められた。
ほっとして両手を肘掛に載せると手に反射的に嫌悪感が走った。
清掃されていないことは肌が感じたとたんに、不快な気分に襲われるのです。
よく見ると机の上、電話、入り口のドア、傘立てなども汚れていて、
このところ清掃したという気配がない。
きちんと清掃をしているなら、こんな無神経なことはしないはずだ。
心ある清掃をすれば「気づき」や「問題点の発掘」「創意工夫」に結びつき、
「物を大切にする心」「感謝の心」が湧いてくる。
汚れを気にしない人は、お客様の心の揺れをとらえることなどできない。
 
2016/01/09